必要な仕様やルールを詰めるなど何かを進める過程で、何かが決まっていない・結論がないと表に出せない、という心理的状況がしばしばあったりします。
たいていの人は、度合いによりますがある程度できてから、上司やチームメンバーに出そうと思うでしょう。早い段階で形ができあがって持っていければいいのですが、おおよそそういうケースはできあがらないので持っていくのが遅くなる。そしてギリギリに出したものの、レビューで指摘をたくさんもらって、それを持ち帰ってまた直すが、修正したものを出すのが遅くて・・・、と悪循環に陥りがちです。
そういうときは、結論とか決めるところが決まってなくてもいいから、ざっくり作ったものでいいから、方向性だけでもいいから、「場に出す」ことが大事なのではないかと思います。
未完成のアイデアを場に出すことで、相手に迷惑をかけたり時間を奪うことになるのでは、という懸念が頭をよぎるかもしれません。
しかし、一旦でも「場に出す」ことで得られるフィードバックやアイデアが、停滞していた状況を打破することは少なくありません。
周囲の意見をもらうことで進むべき方向が明確になったり、問題解決の糸口が見つかったりすることがあります。
「たたき台を作ったやつが一番偉い」という言葉があるように、たとえ不完全であっても、ゼロの状態から「叩き」や「下書き」と呼べる形に仕上げた人が、実はもっとも貢献度が高いのではないでしょうか。
こうした最初の形があるだけで、それをベースに他の人がブラッシュアップしたり、新しいアイデアを追加したりすることができます。何もない状態では議論も進みませんが、たたき台があることで一気にプロジェクトが前進していくのです。
カードゲーム『遊戯王』には「場に出すだけで効果を発揮するカード」があるらしいです(私は詳しくありません)。
調べてみると次のカードと効果があるみたいです。
- 「氷結界の龍 トリシューラ」:相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚まで除外できる。
- 「サンダー・ドラゴン」: このカードを手札から捨てて発動できる。
- 「ホルスの黒炎竜 LV8」: このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。
これらのように、アイデアや試作品といったものをたたき台という「カード」にして「場に出す」ことで、効果を発揮できるのではないでしょうか。
決まっていなくても、完成していなくても、まずは一歩を踏み出すこと。そしてやってみること。「場に出す」ことをためらわず、まずはたたき台でも下書きでも形にしてみる。
初速が遅い自分にとっての戒めであるので、実践していきたいところです。