毎日ルーティンをこなしていると、その作業が一見面倒そうに思えても慣れてしまい、いつの間にか面倒に感じなくなることがあります。そうなったとき、ほんの一瞬「これってつまらないな」と思うことがあるかもしれませんが、慣れてしまっているがゆえに「やってしまった方が早い」という発想に切り替わり、結局はそのまま実行してしまうことが多くなりますよね。
私の場合、比較的まじめな性格なので、少しの手間や面倒も「やってしまった方が早い」という思考になりがち。
だけど、ちょっとした面倒くささや不便さに対して敏感であることはとても大切だと考えています。
なぜなら、世の中にある発明や新しいサービスはたいてい、そうした「面倒」な部分を解決しようとするところから生まれていることが多いから。
例をいくつかあげてみます。
- 食洗機: 食事のたびに食器を1枚ずつ洗うのは手間だけど、慣れたら面倒に感じづらい。
- キャッシュレス決済: 現金を持ち運んで買い物する、というのは一昔は当たり前だった。
世の中にはそういうピンポイントなニーズを捉えた解決策が商品・サービスとしてヒットするケースが存在します。その背景には「面倒を面倒なままにしない」感性が存在すると思っています。
もし、日々そうした小さな不便を感じる感性を失ってしまえば、面倒なことに気づかず、結果として自分に降りかかったビジネスチャンスや改善のアイデアを取り逃してしまうかもしれませんね。
なので、自分の周りや仕事で面倒なこと・不便だと思ったことは、意識してメモしておくと役に立つのではないでしょうか。
IT系エンジニアの世界では、怠惰(Laziness)・短気(Impatience)、傲慢(Hubris)といった「三大美徳」がよく知られています。
いかに面倒くさいと思うか。「もっとこうすれば楽になる」「制約がなくなればもっと簡単になるのでは」という観点で改善を考えていくことで、仕事や日常生活における生産性向上につながるはずです。
自分が面倒と感じることは、たいていの場合、他の人も同じように感じるものですから、そうした不便さを解決することは他者のニーズを満たし、新たなビジネスチャンスにつながる可能性があるのではないかとおもった次第です。