本日も乙

ただの自己満足な備忘録。

実践的なプロジェクトマネジメントを学べる『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』

私のキャリアは、事業会社に所属かつ少人数(一人の場合もある)でプロジェクトをこなしてきたので、いわゆるSIerにあるような要件定義、見積もり、予算編成、設計~といったフェーズをちゃんとやってきていませんでした。最近はプロジェクトマネジメントを任されることが増えてきたのでこの機にちゃんと学ぼうと思って『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』を読みました。

本書を読んだうえで刺さった箇所について紹介します。

プロジェクトマネジメントとは球拾いである

プロジェクトメンバーが気持ちよく働けるように先回りして障害やリスクを除去したりと地道なポジションであると書かれています。プロジェクトマネージャーの市場価値は高まっていると本書で記載されていますが、地道で大変なポジションだからこそ希少性があるのだと言えるでしょう。

タスクマネジメント ≠ タスク管理

単にタスクを割り振ったり進捗を「管理」するだけではなく、プロジェクトの目的達成のためにタスクを采配するのがタスクマネジメントであるとのことです。本書ではサッカーを例に得点を生み出すパスワークを状況に応じてチームに指示を出すボランチや監督的ポジションであるいうことです。

優先順位付けはクリティカルパス法をつかう

よくガントチャートでスケジュールを引きますが、タスクのヌケモレに気づきにくく、後から工数が発生したときにスケジュール全体を修正するのに大きな工数を取られるのが欠点であるとのことです。ガントチャートの欠点を解決するのがクリティカルパス法で、どのタスクを優先的に片付けなければならないかを図示することでプロジェクトメンバーにも意識付けできる点がメリットです。

「要求」と「要件」をわける

発注者などから実現したいことを要求とし、実現すべきことを要件として落とし込んでいくということです。Excelなどで要求と要件のカラムをわけることで、混在させずかつ発注者側は要求を聞き入れてくれたという意識をもってくれます。

対応が厳しいような要求であったとしても、相手の要求を受け止めます。要求を持ち帰りプロジェクトメンバーで検討したうえで追加要件や要件変更といった対応に持ち込めます。

できるだけ図で表現する

ドキュメントはついつい文章で書いてしまいがちですが、図で表現することを心がけるようにします。打ち合わせで残したホワイトボードやMiroなどのガントチャートツールで十分です。 また、ドキュメントは結論だけではなく、なぜそれにしたのか検討するにあたっての経緯を残すようにします。詳細を書かなくても相手に伝わることを意識してドキュメント作成しましょう。

また、業務改善やプロジェクトリニューアルなどは Before(AsIs)/After(ToBe)を作成することも忘れないようにしましょう。

最後に

交渉や契約の章もあり、今の私にはちょっと縁が遠い内容もありましたが、ほとんどの内容はプロジェクトマネジメントをするうえで基本的な知識だと思っており、やるべきことが頭の中で整理できました。 気になる点としては、タスクマネジメントにおいてタスクをすべて洗い出すとありますが、不確実性の高いプロジェクトだとすべて洗い出すことが難しいので、どうやって折り合いをつけていくのかが個人的な課題です。なので次は「アジャイルな見積りと計画づくり」を読んでいます。