先日の科学未来館の続きです。
常設展示の中で個人的に面白く惹かれたのが、『インターネット物理モデル』です。インターネットで情報が伝わるしくみを、白と黒のボールの動きで視覚化した展示とのことで、テキスト・音声・映像などの電子データを2進数(「0」と「1」の信号)に置き換えて、相手に送信するまでを体現しています。
解説動画と論文も公開されているので、興味がある方はご覧ください。
ITエンジニアの端くれなので、宛先を表すヘッダとデータ部分がパケットという単位で相手に送られるという流れは見ているうちに分かってきましたが、インターネットの仕組みが分からない人は解説なしでは理解することは難しいと思います。白黒のボールがピタゴラスイッチのように動いている、という程度は見てわかりますが、それがなぜ相手を特定することができて、相手に情報を伝えることができるのかを理解するのが難しいかもしれません。
普段、私たちはこういった裏側を意識することなく、PCやスマホなどの端末からインターネットによってSNSで相手とやり取りしたり、YouTubeで動画見ることができます。これはインターネットに限らず世の中見えている事象についても同様に言えると思います。
子どもがスーパーで魚の切り身が売られていることから切り身が海や川を泳いでいると認識していたというのをたまに耳にします。これも「魚の切り身」が売られている事象だけが目に見えていますが、実際には漁業によって魚を獲って捌き冷凍保存して近所のスーパーまで運送されてきています。
こういった、今、目に見えている事象だけを捉えてしまうとその裏側にある構造にまで想いを至ることができません。日常生活では問題ないかもしれませんが、いざというときに対応できなかったりします。最近起きている「令和の米騒動」はその一例ですね。
世の中で起きている問題は何かしらの原因と結果があるわけで、目の前に起きている事象だけで物事を考えてしまうとその本質を見失うことになってしまいます。その中での構造や仕組みなどを理解していくことを意識していきたいものです。