タイトルは、ドラッガー『プロフェッショナルの条件』の第2章「優れたコミュニケーションとは何か」にある一文です。日曜日の朝の読書勉強会でやっていた内容と先日体験したことが一致した話を書きます
先週末に自部門開催の採用イベントがありました。初めての取り組みとして、自分たちの仕事の成果を1枚の用紙にまとめて参加者に個別に説明していくポスターセッション形式でした。悪天候なのにも関わらず多くの外部の方や他部署の社員も見に来ていただけました。
私の所属は研究開発部であり、発表者のほとんどは研究職であり発表内容も研究開発に関するものです。外部から来られる方の大半は学生、社会人ともに研究開発に興味がある方だと思うのですが、私は研究開発のケの字もなく、ITエンジニアとしてデータ基盤に関する内容なので、参加者の興味から多少外れたところにあります。中にはデータ基盤に興味があって来たという素晴らしい方もいましたが、大半の参加者はデータ基盤自体が何をするものなのか、データエンジニアってどういうことをするのか、についてほとんど存じない様子でした。
イベントや参加者が悪いとかそういう意図ではまったく無く、採用趣旨として参加者の傾向がたまたまそうだったという話ということをあらかじめ断っておきます。むしろ、私の拙い説明に熱心に静聴したり鋭い質問をしていただいたりとかなり充実したイベントとなりました。
話を戻します。そういう状況下で杓子定規にポスターの内容を説明しても訳が分からなくなるのは見えているため、まずは参加者との接点探しを意識しました。学生なのか、社会人なのか。何の専攻をしているのか、何の仕事をしているのか。データ基盤という用語を知っているか、否か。その方が見えている世界においてどういう用語や説明をすればいいのかについて、考えながら説明をしていました。
『プロフェッショナルの条件』には「大工と話すときは、大工の言葉を使わなければならない」と書かれています。初対面の方との対話で相手の世界に当たりをつけて、接点を探しにいく。私はまだまだ未熟ですが、先日の体験で少しは意識してできたのではないかと思っています。日常での会話においても、相手の世界をいかに理解してコミュニケーションしていくかを意識していきたいと思います。