本日も乙

ただの自己満足な備忘録。

技術書典9で「Amazon Web Servicesコスト最適化入門 第2版」を頒布します(割引特典あり)

久しぶりのブログ更新です。最近は英語の勉強と「Amazon Web Services コスト最適化入門」(AWS コスト本)の加筆をずっとやっていました。

さて、9月12日から開催される技術書典9で「Amazon Web Services コスト最適化入門 第2版」を頒布します。

techbookfest.org

※まだ審査中のステータス

BOOTH でも購入いただけます。URL は第1版と同じです。

ohsawa0515.booth.pm

第1版を購入し、以下の感想フォームに回答いただいた方にはクーポンコードが発行されるのですが、それを使えばなんと500円で購入できます!前作を購入いただいた方はぜひご利用ください。

ohsawa0515.booth.pm

感想フォームはこちら↓
docs.google.com

AWSコスト本とは

初めて見た人もいると思うので簡単に紹介します。

本書は簡単に言えば、AWS のお金に関する本です。AWS や GCP、Azure といったパブリッククラウドの登場でサーバリソースの調達は容易になり、マネージドサービスによって運用負荷は軽減されました。AWS の料金体系はおもに従量課金です。「使ったらつかった分だけ請求される。前払いもない。だからオンプレミスよりコストが安くなる」という話は誰しも耳にしたことがあると思います。

しかし、従量課金なので使ってないときはお金がかからない反面、利用料金の見通しが難しくなります。Auto Scaling による台数の増減や、ネットワーク通信量、S3 のストレージ量などコスト増減を左右する要素が多いです。アクセスユーザ数、バッチ処理量といったサービス要件や、開発・社員の入退社、組織体制といった外部的要因まで及びます。

昨今は「コスト削減」がどこでも行われています。「コスト削減」と聞くと、経費削減という名目で文房具を買うのにも申請が必要だったり出張費が削減されたりと細かいところを削っていくイメージがあるかもしれません。AWS においても、たとえば EC2 インスタンスをこまめに止めたり起動の承認制などに目を向けがちです。また、少額のコストを削減するために工数のかかる開発や改修をするのもコストパフォーマンスが悪いです。開発生産性が落ちてAWSの特性を活かせないのは本末転倒です。本書では「コスト削減」ではなく、AWSの特性を活かすことで AWS コストを「最適化」することに主軸を置いています。

本書はそうした背景でAWSコストに悩んでいる人にむけて書いた本です。EC2 や S3、データ転送料金などの料金について体系的に解説し、コストを最適化するためのポイントを紹介しています。また、コストを分析するためのツールや利用方法についても紹介しています。

書評や感想など

第1版では多くの方から好評をいただいています。ありがとうございます!

twitter.com

sadayoshi-tada.hatenablog.com

infraya.work

第1版との違い

第2版は前作の第1版と比較して、ページ数がなんと56ページも増えました。

  • 第1版:154ページ
  • 第2版:210ページ

第1章 Amazon EC2 (+25P)

前作で書き足りないことを書いていったら25ページも増えていました。

  • インスタンスタイプ、ECU、Nitoro システム、プロセッサアーキテクチャといったEC2自体の説明を追加
  • オンデマンドインスタンスのコスト最適化例として AWS Instance Scheduler を追加
  • RIの適用ロジックに関する説明を追加
  • RIの柔軟性について図を追加
  • Savings PlansがAWS Lambdaに対応したことによる適用例の修正
  • AWS Cost Explorerを活用したRIとSavings Plansの運用方法を追加
  • スポットインスタンスの内容を追記

第2章 AWS Lambda(追加!)

AWS Lambdaの料金計算方法とコスト最適化方法について新たに追加しました。

第3章 コンテナサービス(ECS、EKS)(追加!)

AWSマネージドコンテナサービスである、ECSとEKSの概要や料金体系、EC2タイプとFargateとの違いについて新たに追加しました。
ECSやEKSに関する詳しい説明は省略しており、あくまでコスト面に関する内容となっています。

第5章 Amazon VPC/データ転送(+4P)

VPC 内部の通信、リージョン内の通信、リージョン間の通信、AWS ネットワーク外への通信の4パターンに分け、図と内容を追加しました。

第7章 AWS Pricing Calculator(+1P)

図の修正をしました。AWS Simple Calculatorが廃止になるため、章を削除しました。

第8章 AWS Cost Explorer(+4P)

AWS Cost Explorerの基本的な使い方を追加しました。また、「推奨事項の有効化」の機能がアップデートされたため図と説明を修正しました。

第9章 AWS Cost and Usage Report(+3P)

Athenaを用いてAWS Cost and Usage Report(CUR)にクエリ実行するときに、私がよく使うカラムを追加しました。また、よく使うSQL例のクエリを修正しています。

第10章 AWS Budgets(+6P)

AWS Chatbotとの連携によるSlack通知と予算レポートを追加しました。

第11章 コスト配分タグ(+3P)

タグ付け戦略を追加しました。タグの付け方の参考になるかと思います。

第12章 AWS Cost Categories(追加!)

AWS 公式ブログでもあまり取り上げられていない、マニアックな機能(?)である AWS Cost Categories を追加しました。複数 AWS アカウントを跨いだコストカテゴライズが便利です。

第15章 AWS Well-Architected フレームワーク「コスト最適化」(+2P)

2020年7月に AWS Well-Architected フレームワークが改訂されたため、内容をアップデートしました。

コスト削減方法や事例を知りたい!という方へ

ご感想をいただいた中に、筆者が取り組んだ具体的なコスト最適化事例を知りたいという声をいくつかいただきました。実はこの度「Amazon Web Services コスト最適化入門」が商業誌として販売することが決まっており、そちらに含めさせていただきました。具体的な販売時期が決まりましたら告知させていただきます。商業誌の表紙はこのようになっています。

commercial-aws-cost-book

商業誌が待ちきれなくて早く知りたい方は、7月にJuly Tech Festa 2020でコスト最適化事例について登壇していますのでそちらをご参照ください。商業誌の内容もこれと同じです。

buildersbox.corp-sansan.com

最後に

第2版は既刊でありながら追加ボリュームは新刊並なので、第1版を購入された方は実質500円で新刊1冊を読めることになります。
200ページものボリュームがあり、コスパが良い本であると自信を持っているので、まだ買われていない方はぜひお手にとっていただけますと嬉しいです。