本日も乙

ただの自己満足な備忘録。

技術書典 応援祭で「Amazon Web Services コスト最適化入門」を頒布します

3/7(土)から開催される技術書典 応援祭で「Amazon Web Services コスト最適化入門」という技術同人誌を頒布します。

今回は個人参加ではなく、同僚を募っての参加です。サークル紹介および頒布本の紹介は会社ブログに書きましたのでよければ読んでください。

buildersbox.corp-sansan.com

会社ブログの方は同僚が書いた共著をメインに紹介しています(会社主体なので)。本記事は私のブログなので、私が書いた本のみ紹介します。

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本の概要

本書は簡単に言えば、AWS のお金に関する本です。AWS や GCP、Azure といったパブリッククラウドの登場でサーバリソースの調達は容易になり、マネージドサービスによって運用負荷は軽減されました。AWS の料金体系はおもに従量課金です。「使ったらつかった分だけ請求される。前払いもない。だからオンプレミスよりコストが安くなる」という話は誰しも耳にしたことがあると思います。

しかし、従量課金なので使ってないときはお金がかからない反面、利用料金の見通しが難しくなります。Auto Scaling による台数の増減や、ネットワーク通信量、S3 のストレージ量などコスト増減を左右する要素が多いです。アクセスユーザ数、バッチ処理量といったサービス要件や、開発・社員の入退社、組織体制といった外部的要因まで及びます。

昨今は「コスト削減」がどこでも行われています。「コスト削減」と聞くと、経費削減という名目で文房具を買うのにも申請が必要だったり出張費が削減されたりと細かいところを削っていくイメージがあるかもしれません。AWS においても、たとえば EC2 インスタンスをこまめに止めたり起動の承認制などに目を向けがちです。また、少額のコストを削減するために工数のかかる開発や改修をするのもコストパフォーマンスが悪いです。開発生産性が落ちてAWSの特性を活かせないのは本末転倒です。本書では「コスト削減」ではなく、AWSの特性を活かすことで AWS コストを「最適化」することに主軸を置いています。

本書はそうした背景でAWSコストに悩んでいる人にむけて書いた本です。EC2 や S3、データ転送料金などの料金について体系的に解説し、コストを最適化するためのポイントを紹介しています。また、コストを分析するためのツールや利用方法についても紹介しています。

本書の構成

AWSのコストを削減するにあたって次の流れにそって解説しています。

第一部は、AWS を使うと何にお金がかかるのか、またどうすれば安くできるかについて説明します。AWS を使うときに必ずといってもいいぐらいメジャーな次のサービスに対して、料金体系および各種オプションについて知ることで、損をしない使い方ができるようになります。

  • Amazon EC2(オンデマンド・RI・Savings Plans・スポット)
  • Amzon EBS、EFS
  • Amazon VPC、ネットワーク
  • Amazon S3

第二部は、AWS Simple Calculator、AWS Pricing Calculator を用いてAWSの利用料金を見積もる方法を説明します。前もって見積もりしないばかりにあとから高額な料金が請求されないように、また誤った見積もりをしないようになります。

第三部は、AWS Cost Explorer、AWS Cost and Usage Report を用いて、AWSの利用料金を可視化と分析をする方法について説明します。「なぜお金がかかったのか」をきちんと理解し説明できるようにするためには請求金額データの分析が必要不可欠です。また、AWS Budgets、コスト配分タグを活用したリソースや予算管理についても説明します。

第四部は、コストを最適化をする方法について紹介します。AWS Trusted Advisor、AWS Compute Optimizer を活用したコスト最適化や、AWS Well-Architected フレームワークの柱の1つである「コスト最適化」からベストプラクティスについて紹介します。

対象読者

  • EC2やS3を使っているけど料金体系についてよくわかっていない人
  • オンプレミスからAWSに移行したいけど、どのぐらいコストなのかわからない人
  • AWSを使いたいけどクラウド破産が怖い人
  • AWSのコスト削減に悩んでいる人

逆に次のような人には向かないかもしれません。

  • AWSの無料枠を使い倒したい人
  • AWS上級者

どこで売っているのか

現在、技術書典 応援祭のマーケットとBOOTHで販売中です。今回は電子データ(PDF、EPUB)のみです。物理本は次回に印刷したいと思います。

価格は1,000円(税込)です。

techbookfest.org

ohsawa0515.booth.pm

各章1〜3ページを抜粋したサンプル版もあります。

ohsawa0515.booth.pm