日経クロストレンドでYouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』が紹介されていました。
最近、このYouTubeチャンネルを見るようになってハマってしまいました。動画はすべて見ましたし、ライブのアーカイブ動画は作業中のラジオ感覚として聴いています。
私は神奈川出身なので、藤沢駅から近い有隣堂には昔からお世話になっていました1。馴染みがあったので、有隣堂は全国展開していると思っていたのですが、実は神奈川、東京、千葉、兵庫・大阪にしか展開していないとのことです。
動画は、ミミズクのキャラクターであるR.B.ブッコローがMCを務め、毎回ゲストが特定のテーマに沿って話をしていく内容です。ゲストは有隣堂の社員のみならず、作家や競合企業まで幅広く出演しています。テーマも、その人が熱中している文具や本、モノなど多種多様です。
動画は1本あたり約10分なので気軽に見られるのですが、ゲストの熱量や異常性を感じられてかなり面白いです。企業チャンネルらしからぬゆるさがあり、宣伝を全面的に押し出してこない空気感がウケているのだと思います。台本はほとんどなく、フリートークで進むので思いがけないトラブルや笑いもありますし、R.B.ブッコローの「素直な感想」がそれをさらに引き立てています。
『有隣堂しか知らない世界』として、書籍を出していてそれも読みました。
なぜ、書店である有隣堂がYouTubeチャンネルを始めたのか。なぜ、企業チャンネルとしては異例の50万人以上のチャンネル登録者数にまで増え続けているのか。動画を多くの人に見てもらうために何をしたのか。何を大切にしてYouTubeチャンネルを配信しているのか。書籍を読んでから動画を見ると、納得感が増します。
『有隣堂しか知らない世界』から学べることがたくさんあると思います。
ゲストの熱量・異常性を感じることができる
キムワイプ、ガラスペン、恐竜、ドラゴン剣キーホルダー、電卓、てぬぐい etc
ゲストが本当に好きなもの・熱中しているものを語る姿は見ているとこちらも楽しくなりますし、そういう姿に憧れます。
多くの人に見てもらうためのコンテンツづくり
最初から順風満帆だったわけではなく、「面白くない動画は見られない」という思いのもと、動画配信を続け、何度かのブレイクスルーを経て急激に登録者数が増加したとのことです。
『愛される書店をつくるために僕が2000日間考え続けてきたこと』には今の時代においていかに見てもらうかについて語っている内容があり、YouTube動画に限らずコンテンツ配信する私たちにとっても共通することだと思います。
現代の人たちに、「見てもらう動画」を作るということは、既存のあらゆるエンターテインメントから時間を奪うだけの「面白さ」がなければ土俵に上がることもできない。
有料で読まれる記事は、どうしても「知りたい」「見たい」と思わせるものだ。(省略)
大事なのは、人間の脳みそと心と性器をつかむことだ。
脳みそは知識欲、知りたいという欲望。心は感動したい、泣きたい、あるいは怒りたい、喜びたいという欲望。性器は要するに性欲だ。そのどれかを刺激すれば、人はクリックする。つまり数字を上げ、稼ぐことができる。
貴重なスキマ時間に、誰のドキュメンタリーなのかわからないコンテンツでは、人はたった1分の時間すら使ってくれない。
これらの引用内容は、ファンを集めたい・集客したいという人たちにとっても耳が痛い内容ではないでしょうか。
R.B.ブッコローのトーク力
MCのR.B.ブッコローの中の人は有隣堂社員ではなく、プロデューサーの昔の同僚で、以前から人を笑わせる天才だったとのことです。フリートークのような内容でゲストにあれこれ投げかけるトーク力は、見ていて勉強になります。中の人いわく、そのトーク力は合コンで培ったもので、借金してでも合コンに明け暮れていたとか。ただ、話を進めるだけでなく、ゲストに対してどこまで踏み込んでよいかの線引きを理解したうえで、遠慮なく切り開いているのは、培ってきた経験によるものなのでしょう。
動画ではかなり圧縮されているので、ライブのアーカイブ動画を見ると、リアルな会話力を感じることができると思います。