1週間ぐらい過ぎましたが、飛騨高山ウルトラマラソンの話は続きます。
スタートしてから10km手前での出来事です。不意にトイレに行きたくなりました。
スタート前にしっかり済ませたはずなのに、なぜか直後からトイレが近い。
普段から近いほうではあるのですが、緊張のせいか、こんなに早く行きたくなることはあまりありません。
ちょうど10km手前にトイレがありましたが、すでに数人が並んでいました。
いつもなら並ぶのが嫌なので、我慢して先へ進むのですが、そこを過ぎると山(坂)に入るため、次にトイレに寄れるチャンスはかなり減ってしまいます。
初めての飛騨高山ということもあり、タイムが多少遅くなっても今のうちに行っておいたほうが安心だと判断し、列に並ぶことにしました。
そのトイレ待ちの間、後ろに並んでいた方から声をかけられました。
話を聞くと、なんとウルトラマラソン初挑戦とのこと。それでいきなり飛騨高山100kmとは、なかなかのチャレンジャーです。
なぜ参加したのか聞いたところ、奥様の実家が高山にあって、ご自身も岐阜県にお住まいとのこと。前日は奥様のご実家に泊まられていたそうです。
その場で軽く談笑して別れたのですが、途中までペースが同じだったらしく、レース中で度々会うのでそのたびに声を掛け合っていました。
コースの最高地点に到達したときには、一緒に写真も撮りました。その場かぎりになるのは淋しいので、InstagramのIDを教え合いました。電波が悪かったので、ひとまずその場でプロフィール画面をカメラで撮り、あとでフォローすることにしました。
結局、彼は私より10分以上早くゴールしてました。ウルトラ初挑戦なのにすごい。
レース後もお互いに完走を称え合い、Instagramでフォローすることができました。
もしあの地点でトイレで並ばなかったら、こんなご縁が生まれていなかったのかもしれません。
彼はレース中に私以外のランナーにも声をかけていました。
ひょっとしたらレース中に声をかけてもらっていたかもしれませんが、そうでもなかったかもしれません。
剣術家の柳生宗矩の名言に、こんな言葉があります。
小才は、縁に出合って縁に気づかず、
中才は、縁に気づいて縁を生かさず、
大才は、袖すり合った縁をも生かす。
ほんの些細なきっかけで、人の縁は生まれるものです。
日々、私たちはいろいろな人たちと出会います。たまたま隣に座った人と意気投合したという例もよく聞きます。
人の縁というのはどこで生まれるかわかりません。
だからこそ、そのたまたまでもつながった人とのつながりや縁はその場かぎりにせず大事にしていきたいですね。