数年前になりますが「お前はつまらない人間だ」と言われたことがあります。その人は悪意があったわけではなく、むしろ僕の個性として軽く揶揄してくれたという感じだったので、私は特に気にすることなく「逆に"つまらない"を個性にしてやろう」という気概でいました。
そう強がってみたとて、自分のなかで「俺って平凡な人間だなー」っていうのは少なからずありました。生い立ち、学歴やキャリア、実績とか目立つものがない。面白い話ができるわけでもないし気の利いた返しができるわけでもない。イケメンでもない。友達付き合いもいいわけでもない。
底辺にはならないけど上位でもない。偏差値50から60ぐらいの普通なる男。それが自分だと思っていました。
しかし、別の人からちょっとしたときに(どこで言われたか忘れましたが)「あなたは最初は普通だと思ったけど、会うたびに少しずつ個性が出てくる」みたいなことを言われたことがありました。
どこで言われたか忘れたので、言い回しは間違っているかもしれないし、ひょっとしたら自分の中の妄想かもしれないw
けれど、妄想だったとしてもそういう言葉が自分の中に入ってきたことで、「ああ、今まで普通だと思っていたけど、そうでない部分もあったのかも」と思えるようになってきました。
私の悪い癖で、無難なコミュニケーションを取りがちです。特に社会人になってから。こうした態度が、「平凡」や「つまらない」と思われる原因なのかもしれません。
それでも、不思議と長く付き合いを続けてくれる人たちがいるのはありがたいことです。その人たちは、みんなすごい人であり良い人たちばかり。なにかきっと私の中にあるものを感じ取ってもらえているのかもしれません。
食べたらすぐに味が消えてしまうスナック菓子ではなく、噛めば噛むほど味が出るスルメのような人間でありつづけたいとおもった次第です。