本日も乙

ただの自己満足な備忘録。

1on1は部下を成長させる --- 「ヤフーの1on1」を読んだ

最近、新しい人が入ってきてメンターをやっています。後輩さんの面倒を見るのは新卒で入ったときに学生インターンを見たとき以来なので、皆無といっていいです。
メンターとかできるような人柄やスキルがあるとは思わないけど、前職上司から根拠は分かりませんが、マネジメントの方が向いてると言われました *1 し、何かしらの期待があって任されたので、毎日試行錯誤してやっている日々です。

メンターって何やるのか、開発マネージャに相談したら 1on1 をやった方がいいと言われました。

この相談の場自体が 1on1 だったので、1対1で対話するんだろう程度の理解度だったのですが、ひとまず週一30分で時間を作ってもらってみることにしました。

話を聞いてないねと言われるぐらい、話を聞くのが下手な私ですが、1on1をやってみて確信しました。言語化できてないけど、なんか上手くいかない。このままじゃ駄目だ。 マネージャとの1on1で悩みを打ち明けたところ、この本を紹介されました。

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
本間 浩輔
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 1,550

読みやすくてさくさく読めました。学びが多かったのでメモを共有します。

1on1は部下のための時間

1on1は部下の行動や経験学習を深めることを目的としている。上司の状況把握のための時間ではない。 部下の顔をしっかり見る。PCばかり見ない。

はい、できていませんでいた。

1on1=面談 のようにこちらから質問を投げまくってそれに答えてもらうのではなく、部下(1on1の相手)が話したいことを話してもらう。それを上司は傾聴する。

先に答えを言ってはいけない。言ってしまうことで上司依存の関係になってしまい、自分から考えなくなってしまう。 = 指示待ち になってしまう。

1on1の効果

「7:2:1」の理論 - 7割 : 仕事経験から学ぶ - 2割 : 他者から学ぶ - 1割 : 研修や書籍から学ぶ

エンジニアは特に多いかもしれませんが、書籍とかドキュメントから技術を学ぶことが多いと思っていましたが、思い返してみると、仕事を通じてやったことが自分の身になっていることが多いように思います。書籍からでも学ぶこともありますが、仕事がベースにあって分からないこと・知らないことを知るために書籍やドキュメントを読むほうが、時間が経っても覚えていることが多いです。

1on1で経験から振り返って教訓を導き出し、今後に活かすことで成長していく。
つまり、

  • 具体的経験をする
  • 内省する(省察的観察、振り返る)
  • 教訓を引き出す(持論化、概念化)
  • 新しい状況に適用する(持論・教訓を活かす)

のプロセスを回すための手段が1on1であると筆者は語っており、これを「経験学習サイクル」と名付けています。

1on1を業務として強制的にやる、制度化することが重要です。 自主的な取り組みだと、上司は忙しいのでわざわざ時間をとって1on1をやらなくなります。部下から上司に1on1を切り出しづらいですが、制度として強制的にやることで部下も気兼ねなく相談する機会を得ることができます。

1on1のやりかた

どうやって1on1をするのか。
まずは 「今日は何を話そうか」 からはじめることで部下がテーマを決めることができます。上司はテーマを決めるべきではありません。

部下が話したら 「もう少し詳しく話してください」
上司が理解するために詳しく聞くのではなく、部下が内省を深めるために質問します。

部下が話しているとき、応答をどうするか。

オウム返し
部下が話した言葉をそのまま返すことで内省が深まる。もしくは別の言葉に言い換える

「なるほど」
否定してはいけません。否定すると上司からそういう評価をされたと思ってしまいます。

レコグニション(Recognition)
相手が存在することを認める。目の前にいる部下の存在を認め、部下のありのままを受け止める。それを相手がわかるように伝えます。 賛成や同意とは異なり、共感します。

「うん(沈黙)」
沈黙は部下が考えている時間は内省が深まっている状態(「部下が脳みそに汗をかいて考えている」)なので待ちます。

アクティブリスニング
訳すると傾聴ですが、よりアクティブに聞くイメージです。うなずき、相槌、相手が発したキーワードを繰り返します。

相手が話して内省し教訓化されるように導き出したらネクストアクションを決めます。 いつまでにやるか、期限を決めます。でも急がせません。また、上司も手伝う意思を示すことでコミットするように働きかけます。

信頼関係の構築

1on1をやるためには上司と部下の信頼関係が必要不可欠です。部下が上司に忌憚なく話せるような関係でなければなりません。本来、上司と部下という関係はコーチングやカウンセリングが行いづらいです。上司が聞き上手になり、相手が気兼ねなく話せるように努めます。

学びを深くするために

コーチング
部下が経験から学び、次の行動をうながすための質問を主としたコミュニケーション手法です。コーチングと1on1の基本的な共通項は相手の可能性を信じること。

ティーチング
知識や技術を知っている人から知らない人に教える行為です。コーチングとティーチングを意識して分けます。

経験学習により学びを深めていきますが、段階に応じて上司は「コーチング」と「ティーチング」のどちらが有効であるかを選択していきます。例えば、社内ルール(上司が答えを持っていて、かつ部下にとって単に知っていればよいこと)はティーチングが良いです。

質問のスキルが向上するように、ティーチングとコーチングのち外を意識して使い分けていきます。

フィードバック
耳に痛いことを告げて、部下を立て直す(コーチングする)ための技術です。

「学び = 新たな意味発見」であり、知的興奮や楽しみを感じる一方、痛みや違和感を伴うことがあります。とくに大人の学びは痛みを伴います。

ヤフーの1on1におけるフィードバック - 上司が部下に期待する仕事の水準と、部下がもたらした成果との差を示す - 一緒に働く周囲にとって、対象者(部下)がどのように見えているかを返す - 部下は具体的なフィードバックを受けることが可能になり、改善ポイントも明確になる - 上司による期待水準と、部下による目標水準をすり合わせることができる

学びの確認
「今回の出来事から何を学んだのか」

行動の宣言
「この学びを次にどこで活かすか」

*1:エンジニアとして向いてないって暗に言われたのかも